近年、ビジネスや教育の場で注目されている「メタ認知」。
メタ認知が高いと、自分の言動を客観的に捉えることができるので、良い人間関係を築けたり、自分の感情をコントロールできたり、学力や成績が上がったりするなど、さまざまなことに良い効果があるとされています。
発達障害の子どもは、このメタ認知が弱いと考えられています。
しかし、トレーニングによって、メタ認知は高めることができるのです。
今回は、家庭でできるメタ認知の鍛え方・トレーニング方法をご紹介します。
メタ認知とは、「自分の思考や行動を客観的に把握し認識する力」のことです。
「メタ」は「高次の」「より上位の」「一段上の」という意味で、見る・聞く・読む・書く・話すなどの頭を働かせることを「認知」といいますが、「メタ認知」は、認知をより上位からとらえたものです。
例えば、何か作業をする前やしている最中に、「この作業には〇分ぐらいかかりそう」「もっと短時間で終わらすためにはどうしたらよいだろう?」「この方法だったらうまくいくかもしれない」「あと〇分で終わらせよう」というように考えることがありますよね。それがメタ認知です。
メタ認知は小学高学年から急速に発達すると言われていますが、発達障害の子どもは定型発達の子どもに比べて力がつくのがゆっくりだと考えられています。
メタ認知は鍛えることができます。
家庭でできるトレーニング方法を4つお伝えします。
人はそれぞれ違う考え方や価値観を持っていることを伝える
「○○ちゃんはこう思うんだね。ママ(パパ/おばあちゃん/おじいちゃん)はこう思うよ。」
「○○くんと□□ちゃんは考えていることが違うね。どうしようか」
などと、普段から意識して声かけするようにしましょう。
そうすることで、他者は自分と違う考えを持っていることを知ることができます。これは、他者の気持ちを理解する力を育むことに繋がります。
「○○はどうしてそう思ったの?」と聞くなど、子どもの気持ちや考えを説明させる機会をつくりましょう。
言葉にすることで、自分の気持ちや状態を客観視することができます。
また、子どもを褒めるときは「すごいね」「素敵だね」「頑張っているね」などだけではなく、具体的に何をしてすごいのか、なぜ素敵なのかを伝えるようにしましょう。
最初はコツが要りますが、具体的にほめられたほうが子どもは嬉しいですし、具体的に説明されることで子どもが自分自身のことを知るきっかけになります。
日記を書かせることも効果的です。
子どもが何かを失敗したとき、叱ったり、残念がったり、励ましたりしますよね。
そのときに、子どもがどうして失敗してしまったのか、その原因を子どもと一緒に分析してみましょう。失敗の原因を分析し、対策を考えることでメタ認知が鍛えられます。
まず子どもに、何に対して、どういう行動をとったのかを確認します。そして、その行動のうち、どれが失敗を招いたのかを一緒に分析します。失敗の原因がわかったら、次は、「どうしたら良かったのかな?」「同じ失敗をしないために、どうすれば良いだろう」などと、対策について質問しましょう。
子どもは大人より経験が少ないため、「それで大丈夫なの…?」というような対策案を言うかもしれません。しかし、安全面などで問題がなさそうであれば、ぜひトライさせてあげてください。
もし出た案が賛成できないようなことだったり、案が出てこなかったりするようであれば、「この方法は〇〇だから、こういうのはどう?」と提案したり、「こうしたらどうかな?」とアドバイスしたりしてあげましょう。
子どもが話をしているときは、途中で口を挟まずに最後まで聞きましょう。その際は、相づちや表情、姿で「あなたの話を聞いているよ」ということを示すことが重要です。
そうすることで、相手の話や意見を聞く姿勢を学ぶことができます。メタ認知は、自分主観から出て、自分の感情や行動を俯瞰的・客観的に認識することなので、他人の意見や考えを聴くことはメタ認知を高めることに繋がります。
発達障害の子どもがメタ認知を鍛えることはとても大切なことです。
自分自身のことを知ることは、自分の考え方や価値観、得意なこと・苦手なことを理解することで、それは困難なことが起こっても改善方法を考えることができ、また、自分の良いところを活かすことができるのです。
メタ認知を鍛えるために、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。
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