発達障害の子どもたちは、正しい姿勢で立つ・座る状態を保つことが難しいことがあります。
授業中に正しい姿勢で座っていられないと、上手く字が書けなかったり先生の話を集中して聞けなかったりするので、子どもも保護者も困ってしまいますよね。
どうして姿勢が保持できないのか、今回はその原因についてお話しします。
姿勢を保つことができない子どもは、例えば次のような様子が見られます。
座っているとき
・落ち着きがなくソワソワしている。
・椅子を前後に揺らす。
・猫背
・すぐ頬杖をつく。
・体が傾いている。
・あごが突き出ている。
・体育座りをする場面であぐらをかいたり、足を投げ出したり、前や横に手をついたりする。
立っているとき
・背中が曲がっている。
・肩の位置が左右で違う。
・体が傾いている。
・上半身がフラフラしている。
・あごが突き出ている。
・腰が反っている。
・前かがみになっている。
・膝が曲がっている。もしくは反り返っている。
・力んで立っている。
・静止していることが難しい。
発達障害の子どもたちの姿勢が悪くなる原因はさまざま考えられますが、主なものはこの6つです。
発達障害の子どもは、身体の発達が遅れていたり、生まれつき筋力が少なかったりすることがあります。
身体の発達が未熟なため体のコントロールがうまくできなかったり、筋力が弱いため姿勢を保持することが難しかったりするのです。
筋力が弱い子どもは、体を触ってみると柔らかい、全体的にふにゃふにゃしているといった特徴があります。
筋肉が緊張してる場合も姿勢が悪くなってしまいます。
自閉症スペクトラム障害の子どもの中につま先立ちで歩く子どもがいますが、常につま先立ちをしていると、ふくらはぎや太ももの筋肉が緊張していまいます。
姿勢を保つとき、わたしたちは無意識に複数の筋肉を同時に使っています。このように複数の部位を同時に使って円滑に行う運動のことを「協調運動」といいます。例えば、「茶碗を持ち上げ、箸を使ってごはんを口に運ぶ」「黒板を見ながらその内容をノートに書き写す」「腕を回しながら縄を飛ぶ(なわとび)」などがあります。
発達障害の子どもの中には、この協調性運動がうまくできない「発達性強調運動障害」がある子どもがいます。また、自分の体の位置や感覚が掴みにくい「感覚統合障害」がある場合もあります。
発達性強調運動障害があると、姿勢の保持が困難なだけでなく、さまざまな運動面や行動面においても、不器用だったり時間がかかったりするなど、影響が見られます。
発達障害の子どもは、感覚が非常に敏感になる「感覚過敏」や、反対に鈍くなる「感覚鈍麻」という特徴を持っていることがあります。
感覚過敏のために、椅子の硬さや柔らかさ、背もたれやひじ掛けの感覚が気になってしまい、変な格好で座ったり、姿勢が悪くなってしまったりする場合があります。
「常同行動」とは、体を揺らしたり、同じ場所をうろうろしたり、手のひらをひらひらさせたりするなど、周囲には意図がわからない、繰り返し行われる行動のことです。
常同運動を行う理由は、リラックスしているため、刺激を得ているため、気持ちを落ち着かせるため、などさまざまです。
子どもが一定の動きを繰り返している場合は、常同運動をしている可能性が考えられます。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)など、多動性の症状がある場合は、その多動性から、座ったままでいることや静止していることが難しいことが考えられます。
多動性が強いと、座っているときに体をソワソワ動かしたり、急に立ち上がったり歩きまわったりすることがあります。
姿勢が正しくないと、やる気がないと見られてしまったり、視力の低下や腰痛、背骨の湾曲などの体の不調に繋がってしまったりするなど、さまざまな面に悪影響が及ぶことが考えられます。
まずはどういったことが原因で姿勢が保持できないのかを見極め、次に対処方法を考えていきましょう。
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