発達障害やグレーゾーンのお子さまを持つ保護者の方から寄せられたお悩みで、「宿題」の次に多かったのが「こだわり」です。
こだわりは性格なのか、発達の問題なのか―。
小児科医として日々診療に当たっていらっしゃるリサ先生の回答は――。
詳しい相談内容は次の通りです。
「こだわりがあります。
性格なのか、発達の問題なのか、わかりません。
どうすればよいでしょうか。」
リサ先生が診察で保護者の方に「こだわりがありますか?」と尋ねると、「特にありません」と答える方がいらっしゃいます。
でも、詳しく話を聞いてみると、好きなものが決まっていたり、毎回同じ反応を示すなど、それぞれ特徴があるようです。
「こだわり」と聞くと、マイナスのイメージを持ったり、「発達に問題があるのでは…」と身構えたりする人も多いでしょう。
でも、ある程度はその子の特徴といえます。
では、「こだわり」とは何でしょうか。
「こだわり」が強いのは、不安感が少し高めの子どもや理解が少し難しい子どもに多いようです。
決して悪いことではなく、その子なりの「対策」と捉えるとよいでしょう。
例えば、「このやり方ならできる」「この方法なら得意」「こうするとうまくいく」といった具合に、その子ならではのやり方を決めて、暮らしやすくしているのです。
言い換えると、その子なりの「自分のやり方」「趣向」を通すことで、生きやすくしているのです。
いわば、その子にとっての工夫といえるでしょう。
そう考えると、「こだわり」は特別悪いことではないことがわかります。
お子さまのこだわりが強いと、イライラしたり心配になったりしますが、「ああ、この子なりに工夫して上手に暮らそうとしているんだな」と思うと、気持ちが少し楽になります。
とはいっても、こだわりの程度によって、周囲が困る場合と困らない場合があります。
こだわりの1つに食べ物の好き嫌いがありますが、「これしか食べない」という場合は、家族が食事で困りますし、お母さんは料理で困ります。
周囲の人の困り感が強いものは、結果的に本人も困ってしまうケースが多くあります。
日常生活で支障をきたし、本人や周囲が調整しにくい場合は、発達の特性であるとことが考えられます。
「こだわり=ダメなこと、悪いこと」ではなく、将来的に本人が困りそうだなと思ったときは、専門的な機関を探して、相談してみるといいでしょう。
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