お子さまは、家のお手伝いをしますか?
「ゲームに夢中で頼んでもしてくれない」「やり方が雑で、二度手間になったからもう頼みたくない」「嫌々するなら、してくれないほうがマシ」など、保護者の方からすると、頼みたくない理由がいろいろあるかもしれません。
でも、お手伝いには発達障害の子どもにとって重要なメリットがあります。
夏休みを利用して、お手伝いを習慣化させませんか?
お手伝いには、次のようなメリットがあります。
①自主性の向上
②社会性の向上
③自己肯定感の向上
④自己有用感の向上
自己肯定感は、ありのままの自分を認め、自分はかけがえのない存在だと思うことです。自己肯定感が高い人は、情緒が安定し、物事をポジティブに捉えます。
自己有用感は、所属する集団の中で自分は能力を活かせている、その集団の中で大切な存在であると認識することです。自己有用感が高い人は、他者と関わることを楽しいと感じ、他者の役に立ちたいと思えます。
自己肯定感も自己有用感も、人生を前向きに切り拓いていくための原動力となります。
また、これらが高い状態の子どもは、自分自身も周囲の人も大切にするので、良好な人間関係を築くことができます。
しかし発達障害の子どもは、他の子どもに比べ、自己肯定感や自己有用感を高める機会が少ない傾向にあります。
そこで、その機会になるものが“お手伝い”です。
お手伝いの内容は何でもOK。家族の一員としての役割を与え、家族から感謝される喜びを実感させることが重要なので、まずは子どもが無理なくできることからさせてみましょう。
お手伝いは発達障害の子どもにとって大きなメリットがあるものですが、始めるときに、気をつけるべきポイントが4つあります。
子どもに任せるお手伝いは、毎日できるものにしましょう。
毎日できるように、家事の難易度を考え、その子どもにとって難しすぎない、できる範囲のお手伝いをさせることが大切です。
例えば、郵便受けに新聞を取りに行く、ペットのエサを用意する、植物に水をやる、食事の際に家族分の食器を用意するなどであれば、難しすぎません。
子どもが嫌がらない複雑さ・難易度のものであれば、毎日続けられる可能性が高くなります。
例えば、きょうだいがいて、そのきょうだいがお手伝いをしていない場合、当然想像できることですが、お手伝いをしている子どもは「どうして自分だけがしなければならないのか」と不満を感じます。
そうならないために、子どもたち全員にお手伝いをさせるようにしましょう。また、子どもだけでなく大人も役割分担をして、家事をする姿を見せることが大切です。
家事には、効率よく進めるために、段取りを決めたり手順を考えたりするなど、スキルが必要です。
最初は大人が説明しながら手本を見せ、子どもにやり方を教えます。最終的に子どもが1人でできるようになったら、「これはあなたの担当だよ」と任せてしまいましょう。
慣れないうちは失敗したり、時間がかかったり、うまくいかなかったりしますが、繰り返し取り組むと、スムーズにできるようになります。
重要なことは、家族がフォローせず本人に任せるということです。たとえ、教えた方法と違っていたり、雑だったり、うっかり忘れていたりしても、口や手を出さず、見守りましょう。責めることはもちろんNGです。
何度も繰り返す中で、失敗が減り、一人でできるようになると、自信がつきます。
さらに、大切な役割を担っている、任されているという実感が持てると、自立心や責任感が育まれます。
子どもがお手伝いをできたら、必ず「ありがとう」「助かる」「○○してくれて嬉しい」など、感謝の気持ちを伝えましょう。
感謝されることで、達成感や自己有用感を得ることができます。そしてもっと役に立ちたいという気持ちが生まれます。
社会性が乏しい傾向がある発達障害の子どもは、他者の役に立つ、他者から感謝されるといった経験が少なくなりがちです。
お手伝いは、自分が誰かの役に立っていることを感じる重要な経験になります。
長期休暇は新しい習慣づくりのチャンスです。
夏休みも残るところあと3週間。
今からでも遅くありません。この機会に、ポイントを押さえて、子どもの自己肯定感や自己有用感を高めるお手伝いを習慣化させましょう。
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