今年の夏も酷暑になるようです。
夏の大変な暑さは,子どもにとっても大人にとってもストレスを感じるものですが,特に発達障害やグレーゾーンの子どもは暑さに弱い傾向があり,暑い季節は体にも心にも大きな負荷がかかります。
さらに,自分の体調の変化に気づきにくいことや,具合が悪くてもSOSを出せないことがあるため,周囲の大人が体調管理に気をつけることがとても重要です。
発達障害・グレーゾーンの子どもが暑さに弱い理由と,夏を元気に乗り切るために気をつけるべきポイントを見てみましょう。
発達障害・グレーゾーンの子どもが暑さに弱い主な理由は次の○つです。発達障害・グレーゾーンの子どもが暑さに弱い主な理由は次の4つです。
発達障害の特性で他の子どもよりも五感が敏感な子どもがいます。このことを「感覚過敏」といいます。
その中でも触覚が異常に敏感な「触覚過敏」の子どもは,気温や湿度の変化にデリケートで,暑さによるストレスを感じやすいです。
発達障害やグレーゾーンの子どもは,環境の変化に適応することが苦手です。
そのため,季節の変わり目などで気温が変化するとき,体を慣らすことが難しく,暑さをに対してストレスを感じやすい傾向があります。
気温が1~2度上がっただけで,その何倍も暑さを感じてしまいます。
自分の気持ちや意思,体調などの状態を伝えることが苦手な発達障害・グレーゾーンの子どもは,そのことによってストレスを溜めてしまいがちです。また,脳の構造や発達の凸凹が原因で,他の子どもに比べ,思考や行動による脳疲労が蓄積しやすい面があります。
ストレスや脳疲労の度合いが高いと,自律神経が乱れ,体温調整機能がうまく働かなくなり,熱が出ます。
ストレスが溜まり心身ともに疲れている状態でさらに発熱した場合,夏の暑さはもちろん体に大きな負担になります。
発達障害・グレーゾーンの子どもは,脳の機能の面で,自律神経が乱れやすい傾向があります。
さらに,発達障害の二次障害として不安障害やうつ病,不眠症などに罹患している場合は,自律神経により大きな負担がかかっています。
また,特性による不規則な生活や偏食などの食に関する問題も,自律神経に悪影響を及ぼします。
自律神経には体温調整機能があるため,自律神経が乱れると,暑さへの適応が難しくなったり,発熱などの症状が出たりします。
発達障害・グレーゾーンの子どもは,健常児に比べ,熱中症のリスクが高いと考えらえています。
理由としては,
❶自身の体調の変化に気づきにくい
❷感覚鈍麻
感覚過敏の反対で,感覚が異常に鈍いこと。暑いことに気がつかない。
❸自己管理能力が低い
暑い→洋服を脱ぐなど調整する,水分補給をする,涼しい場所で休むといった行動ができない。
❹自分の状態を上手く伝えられない
具合が悪くても,周囲の人にそのことを伝えられず,さらに自己管理能力が低いとどう行動すればよいのかわからず,我慢してしまう。
❺こだわりが強い
特性による過集中で物事に長時間没頭してしまうと,気温や体調不良に気がつかない。
服装に関するこだわりが強いと,暑くても我慢して気に入った服を着る。
などが挙げられます。
発達障害・グレーゾーンの子どもは,暑さに弱かったり,自身の体調の変化に気づきにくい傾向があります。
そのことや,暑さに弱い理由を理解し,周囲の大人が,水分補給や休憩をとるようにこまめに声をかけたり,服装にチェックしたり,体調の変化に気づけるように表情や様子をよく観察したりするなど,十分に気を配る必要があります。
気をつけるべきポイントを押さえて,暑い夏を元気に楽しく過ごしましょう。
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