発達障害の子どもは、正しい姿勢で座ることや姿勢を保ち続けることが苦手なことがあります。
しかし姿勢保持ができないと、学習に集中できない、字がうまく書けない、視力が低下する、腰が痛くなるなど、さまざまな面に悪い影響が出る可能性があります。
注意されたその場では頑張って正しい姿勢を保つかもしれませんが、姿勢が保持できない理由を探り対処法を講じなければ、根本的に解決しません。
今回は、姿勢保持のための対処法をご紹介します。
発達障害の子どもが椅子に座り続けることや正しい姿勢を保つことが難しい理由は、一人ひとりによってさまざまです。
対処法を講じるためには、まずその理由を見極めることが大切です。
姿勢保持が難しい理由は、子どもの特性や体の特徴、ゆがみなどによるため、さまざまです。
代表的な対処法やトレーニングをご紹介します。
発達障害の子どもの中には、他の子どもと比べて生まれつき筋肉の量が少なかったり、体の緊張が弱かったりする子がいます。
そのような子どもの場合は、筋力を上げることで、姿勢保持がしやすくなります。
筋力トレーニングや体幹運動を行ってみましょう。家庭で取り組みやすいものとしては、バランスボールやトランポリンを使ったトレーニングや、プランクなどの体幹トレーニングなどがあります。また、単純な腹筋運動や背筋運動も効果があります。
姿勢保持が難しい原因の一つに、椅子や机がその子どもに合っていないことが考えられます。椅子や机のサイズ、材質、形などを見直してみましょう。
体が小さい子どもの場合、椅子が大きく、足裏が床につかない状態だと、体重を支えられないので姿勢保持が難しくなってしまいます。足裏が床にぴったりついていないときは、低い椅子に替えたり、足を置く台を用意しましょう。
背もたれは、背中との距離、角度を確認しましょう。背中との間が開き過ぎていること、適切な角度でないことは、姿勢が崩れる原因になります。背もたれと背中の間が開き過ぎている場合はクッションを挟むとよいでしょう。背もたれの角度が背中に合っていない場合は、適切な角度に調整するか、椅子を替えることが必要です。
椅子の材質も重要です。座面が木製やプラスチック製のものだとおしりが滑ってしまい、正しい姿勢で座れないことがあります。材質に注意し、おしりが滑るようであればクッションを敷くなどするとよいでしょう。
学習をする際は、椅子とともに机についても確認しましょう。机の高さや天板の下に何もないかなど(足を入れることができない、伸ばすことができないなど不具合がないか)を見ます。
机の高さは、天板に手を置いて肘の角度が90度になるように調整しましょう。
周囲からは正しい姿勢で座れているように見えても、実際は本人が大変な努力をしている場合があります。姿勢保持を頑張るあまり、授業に集中できなかったり、学習に支障をきたすなどがあっては本末転倒です。適度に休憩を入れて、リラックスできる時間を作りましょう。
姿勢保持のためのサポートグッズがさまざま販売されています。
姿勢保持が苦手な子どもの中には、先にご紹介した筋力や体幹の弱さ、椅子や机の問題などではなく、多動が原因という子どもがいます。
そうした子どもは、例えば、足を動かしていることで多動の衝動を解消でき、椅子に座り続けられる場合があります。椅子の脚の間にバンドを渡し、座りながらそれを踏むというバンドや、座りながら動くこともできるというクッションなどのサポートグッズがありますので、使用してみるのもよいでしょう。
筋力や体幹が弱い子どもは、正しい姿勢を支えてくれるクッションなどが便利でしょう。
ただし、感覚が敏感な子どもやこだわりが強い子どもは嫌がることも考えられますので、本人とよく話し合ってから購入、利用してくださいね。
対処法を試してもすぐには効果が出ないかもしれません。特に、筋力アップや体幹を鍛えるといったトレーニングは、すぐにてきめんに効果が表れたとはならないでしょう。
しかし、日々少しずつやってみること、保護者や学校の先生など周囲の大人が自分のために行動してくれることは、子どもにとってプラスになるに違いありません。
ぜひ、試してみてくださいね。
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