IoTやAIなどの技術の進歩により、社会は激しく変化し、多種多様な課題が生じています。複雑な社会の変化にどのように対処していくかは、予測が困難です。しかしながら、子ども達がその変化を前向きに受け止めることで、現在では思いもつかない未来の姿を構想したり、実現したりしていくことができます。
子ども達の感性をより豊かなものにする、「個別最適な学び」が、次世代の教育のキーワードとして注目されています。
「個別最適な学び」は、児童生徒一人ひとりの個性や進度にあわせて指導を行うことです。個に応じた指導については、これまでも示されてきましたが、2021年に本格的な運用が始まったGIGAスクール構想でICT端末などが普及したことにより、児童生徒の多様な個性に対応しやすい環境になり、再び注目されています。
中央審議会「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)」の中で、「個別最適な学び」は、次のように書かれています。
つまり、「個別最適な学び」とは、生徒の個性に応じて、「指導の個別化」と「学習の個性化」を目指すということになります。
<指導の個別化>
子供一人一人の特性・学習進度・学習到達度等に応じ、教師は必要に応じた重点的な指導や指導方法・教材等の工夫を行う。
→一定の目標を全ての子供が達成することを目指し、異なる方法等で学習を進める。
<学習の個性化>
子供一人一人の興味・関心・キャリア形成の方向性等に応じ、教師は一人一人に応じた学習活動や課題に取り組む機会の提供を行う。
→異なる目標に向けて、学習を深め、広げる。
「個別最適な学び」とともに注目されているのが「協働的な学び」です。文科省では、「個別最適な学び」に加え、探究的な学習や体験活動などを通じ、子ども同士、あるいは地域住民をはじめとした他者と協働し、必要な資質・能力を育成する「協働的な学び」を充実することも重要であるとしています。
「個別最適な学び」と「協働的な学び」が一体的に充実されることで、一人ひとりの興味・感心に応じた学びが提供され、異なる考え方が組み合わさることにより、主体的・対話的な学びにつながっていくのです。
「単純な課題は苦手だけど複雑で高度な活動が得意」「対人関係は上手ではないけど想像力が豊か」「読み書きに困難を抱えているが芸術的な表現が得意」といった、様々な特徴を持った子ども達がいます。こうした、特異な才能と学習困難とを併せ持つ子どもは「2E(Twice-Exceptional)」とよばれます。日本ではこれまでも、スポーツなど特定分野の才能を伸ばすシステムが作られてきましたが、学校において特異な才能をどう定義し、その能力を伸ばしていくかについては、まだ議論が十分ではないといわれています。
実社会と関わるプロジェクト型の学びなど子ども達の知的好奇心を高める学習を通じて、一人ひとりの興味感心や認知特性を踏まえた「個別最適な学び」から、子ども達の資質を育成していくことが求められています。
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