学校での勉強というと、算数ならたし算、ひき算などの計算、理科なら実験や観察、国語なら読書や作文などいろいろと思い浮かべることができます。計算は好きだけど読書は苦手だったりその逆だったり、教科の好き好きは人それぞれですが、ほとんどの教科で「板書をノートに写す」ということをしますよね。
本当はいろいろなことに興味を持っているにもかかわらず、この板書を写すことが苦手なために、なかなか勉強に取り組みづらいというお子さまもいます。
板書を写すことは、授業の内容や自分の考えを整理し、理解する力を身につけるのに大切なものです。特に低学年では、板書を写すことそのものが表現や表記のルールを学ぶことにつながります。ですが、発達障害のあるお子さまの中には、ノートに書くことに時間がかかったり抵抗感があったりする場合があります。簡単そうに思える板書をノートに写すという行為は、実はいくつもの動作からできていて、「板書を写すのが苦手」と一口に言っても、どこに困りごとが潜んでいるかはお子さまによって異なります。
【板書を写すためにする動作の例】
・黒板を見る。
・内容を理解する。
・記憶する。
・ノートを見る。
・ノートに書く。 など
板書を写すには、同時にこれらの動作を行わなければならないので、実はとても大変なことなのです。
板書をノートに写すには、黒板を見て内容を短期記憶し、それをノートに写します。視線の行き来(眼球運動)やワーキングメモリ(情報の保持と処理)に困り感のあるお子さまの場合、手元に見本があれば書き写しやすくなる場合があります。あらかじめ学校や先生に使用を相談する必要がありますが、タブレットなどで黒板を写して、それをそばに置くという方法が考えられます。
誤字脱字が多い、字が決められた枠からはみ出す、書いた字が乱雑で読みにくいなど、書字が苦手な場合、使っているノートのマスや記入用紙を大きいものにして、お子さまの書く大きさに合わせ、徐々にマスの小さいものに移行するという方法があります。
書くことに対してすでに強い苦手意識を持っている場合、板書をとるということ自体をいやがってしまうお子さまもいらっしゃるかもしれません。穴埋め式のワークシートを用意してもらったり、板書計画などの資料をコピーしてそれをなぞってもよいということにしたりといった、書くことへの負担を減らす配慮も考えられます。
板書やメモなどを見て、それをそのままノートに写すことを「視写」といいます。文章を見てそのまま書き写すことで、字の練習や文章の表現技法、構造、表記のルールなどを覚えることにつながります。
マイラビの国語教材では、1月分のプリントに必ず視写教材があるカリキュラムになっています。文章を書くことは、お子さまにとって大変な作業ですが、自分自身の思いや考えを伝える大切な手段でもあります。まずは「書くことは楽しい」「書けるようになると嬉しい」という気持ちを大切にして、スモールステップで取り組んでいけるとよいですね。
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