近年、よく耳にするようになった言葉、「自己肯定感」。発達に遅れや偏りがある子どもは、他の子どもよりも、大人に叱られることや否定的な言葉をかけられることが多いため、自己肯定感が低くなる傾向があります。
自己肯定感とは何でしょうか。自己肯定感を高めるには、どうすればよいのでしょうか。
自己肯定感とは、ありのままの自分を認め、その存在を好意的、肯定に受け止める感覚のことです。
自分は何ができるか、何を持っているか、人より優れているか劣っているかといったことで評価せず、そのままの自分を大切でかけがえのない存在だと思える心の状態のことをいいます。
自己肯定感が高いと、自分を大切にすることができます。さらに、他者も自分と同じようにかけがえのない存在だと考え大切にするので、良好な人間関係をつくることができます。
また、何か失敗をしてしまったとき、自己肯定感が高い子どもは「自分ならできる」「次こそは!」と諦めずに取り組むことができます。反対に自己肯定感が低い子どもは、「自分はダメなやつだ」「自分にはできない」と自信が持てず、すぐに諦めてしまいがちです。さらに、失敗を重ねると、情緒不安定や無気力な状態になりやすくなります。
子どもの自己肯定感を高めるには、ほめ方と声かけが重要です。
特別なことでなくても何かできたことがあったら、「すぐに」「具体的に」「こまめに」褒めるようにしましょう。
「着替えられた」「登校できた」など、大人が当たり前と感じることでも、それを当たり前にできたということをほめます。
褒め方のポイントは3つです。
1.行動を始めたときと、行動を継続できたときの2回ほめる
2.結果だけではなく、過程もほめる
3.笑顔やボディタッチも◎
子どもに注意を促すときや、叱るときは、つい命令する言葉や否定的な言葉を使ってしまいがちです。しかし、そういった言葉をかけられ続けると、子どもは反発したり自信を失ってしまったりします。
少し言葉を変えて、具体的な行動を促すような声かけをしてみましょう。。
・「走らないで。」→「歩こうね。」
・「うるさい。」「静かにしなさい。」→「ねずみさんの声で話そうね。」「ありさんの声で話してね。」
・「○○しないで。」→「○○(具体的な行動)してね。」
・「早く準備して。」→「準備したら○○(具体的な行動)ができるよ。」
・「ちゃんとやって。」→(片付けの場合)「箱の中にそろえて入れよう。」(具体的な行動を伝える)
子どもが自分を好きになり、自信を持てるように、ほめ方と声かけを意識していきましょう。
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