発達障害の子どもに多い「見る力」の弱さ

発達障害の子どもに多い「見る力」の弱さ

板書ができない、音読がたどたどしい、手先が不器用、ボール運動が苦手…。
これらは発達障害やグレーゾーンの子どもによく見られる困りごとです。
こうした困りごとは、勉強や運動が苦手からくるのではなく、「見る力」の弱さが原因になっている場合が多くあります。
ふだんお子さまの様子で、気になることはないでしょうか。

「見る力」と視力は異なります

「見る力」と聞くと、近視や遠視、乱視など視力の問題と捉えがちです。
もちろん、視力によってものをはっきり捉えることはとても大事なことです。
ただ、「見る力」はそうではありません。
「見る力が弱い」子どもは、視力に問題はなくても「ものが見えにくい」状況にあります。
「ものが見えにくい」状況とは、視覚機能・視覚認知が弱い状態をいいます。
視機能・視覚認知が弱いと、次のようなことが起こります。

・板書にかなりの時間がかかる。
・音読のとき、同じ行を何度も読んだり、文字や行を読み飛ばしたりする。また、読んでいる場所がわからなくなったり、読みかえたりする。
・文字が読めないほど乱れていたり、大きくマスからはみ出したりする。
・なかなか漢字を覚えられない。
・ものの数を正確に数えられない。
・図形や絵を見て、同じように描き写すことができない。
・定規などの目盛りを正しく読めない。
・はさみやおはしが上手に使えない。
・ボール遊びなどの運動が極端に苦手。
・ものや人によくぶつかる。

「見る力」=「視覚機能」ってどんな力?

「見る力」=「視覚機能」は、大きく3つのはたらきで構成されています。

➊目で見たものを映像として取り入れる「入力」のはたらき
 →眼球運動
  動いているものを目で追い、ピントを合わせる運動です。
  主に次のような運動があります。
  ・動くものをゆっくりと追いかける目の動き(追従性眼球運動)
  ・あるものから別のものへとジャンプするような素早い目の動き(跳躍性眼球運動)

➋見たもの・情報を脳に伝え、分析して処理する「情報処理」のはたらき
 →視空間認知(視知覚認知)
  目で見たものの色や形、位置などの情報を、脳で処理する機能です。

➌処理した情報をもとに、身体を動かす「出力」のはたらき
 →目と身体の協応
 目で見たたものに合わせて身体を動かす力です。

この3つのはたらきをボール運動に置き換えると、下のようなイメージになります。

子どもの「見えにくそう」を見逃さないで!

「見える力」が弱いと、学習面でつまずきが出たり日常生活で困りごとが増えたりします。
しかし、トレーニングを続けると「見える力」はアップします。

次回は家庭でできるビジョントレーニング例をいくつか紹介しますので、取り組んでみてはいかがでしょうか。

マイラビ事務局

マイラビ事務局

学びづらさがあるお子さまが無理なく学習に取り組め、保護者の方も安心して見守ることができる教材を…という思いから、新しい教材をつくりました。
【マイラビ〈my learning habit 〉】です。

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