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小学校のプログラミング教育ってどんなもの? 発達障害のある子ども達とどうかかわりがある?

令和2年度から小学校でも必修化されたプログラミング教育。
プログラミングと言われるとなんだか難しそうに感じてしまいます。
最近の子ども達にとってタブレットやパソコンはとても身近になりましたが、学校教育で行われているとなると「何を学ぶの?」「子どもがついていけるか心配」「テストはあるの?」といろいろな不安がよぎります。
今回は、小学校で教えているプログラミング教育について紹介します。

プログラミング教育のねらいは?

小学校のプログラミング教育では、実際にプログラミング言語などを学ぶわけではありません。
文部科学省によると次の3点をねらいとしています。

①    「プログラミング的思考」を育むこと

②    プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと

③    各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること

引用:文部科学省【小学校プログラミング教育の手引き(第3版)】

プログラミング学習に取り組むことで、子ども達が自ずとプログラミング技能や言語を学ぶことはありえますが、それ自体がねらいではないということです。
プログラミングという新しい教科があるのではなく、算数、理科、総合的な学習の時間などの中に組み込まれ、上記の①~③を身につけていきます。

プログラミング教育で実際には何をするの?

 これだけ聞くと、やっぱりちょっと複雑そうに聞こえます。
 では、実際の教科の中でどんな場面でプログラミングが扱われるのでしょうか。

【例】
 算数:正多角形の作図を行う学習など
 理科:電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習
    与えた条件に応じて動作していることを考察し、更に条件を変えることにより、動作が変化することについて考える場面など
 引用:文部科学省【新学習指導要領】

 

1問試しに算数の正多角形のかき方の問題を用意しました。

(問題)線を引くロボットを使って、正三角形をかこうと思います。
「正三角形のかき方」の【?】に入る数は何でしょう? 

参考:文部科学省【小学校プログラミング教育の手引き(第3版)】

正三角形の1つの角は60°だから、正解は60……と言いたいところですが、正解は120です。
ここではロボットに「どれだけ回ればよいか?」を命令しているため、外角の大きさである120が正解なのです。

「どうやったらこっちに進むかな?」「どうやったら電気がつくかな?」といったことをロボットになったつもりで考え、課題の解決を目指していくと思うとよいかもしれません。
プログラミング教育と聞くと畏まってしまいますが、ゲームやクイズのようでおもしろいですよね。

発達障害のある子どもとプログラミング的思考

 プログラミング的思考とは、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、 記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とされています。

 発達障害のある子どもの中には、曖昧な指示や内容を理解しづらかったり、手順や方法にこだわりがあったり、途中で別の刺激が入ると次やることを忘れてしまったりする子がいます。プログラミング的思考を学ぶことで、「問題の解決には必要な手順があること」「大きな課題を小さな課題に分解して考えればよいこと」「試行錯誤を繰り返し、論理的に考えること」などを身につけることができます。


 マイラビの教材でも、「手順を考えること」「小さな課題を見つけること」などを大切にしています。プリントに取り組んで片付けるまでを1つの「ミッション」として「ミッションシート」を使いながら課題に取り組みます。手順を明確にして課題に取り組むことで、物事の順序や課題解決までのステップに慣れていきます。また、「ひとやすみプリント」の中には「記号の順序を考える」「法則に従って色分けをする」などの課題があります。
 スモールステップで、こうした思考力を身につけていきましょう。

▲ステップを1つ終えるごとにミッションシートにマグネットを貼る。